強引な次期社長の熱烈プロポーズ


「お腹いっぱい」
「意外に食うんだな」

お店を出て第一声がお互いそんな感じで。
大食いって感じで言われたのがまた恥ずかしいやら、落ち込むやら…
そんなときは決まって柳瀬は心情を読み取るから、

「そういうやつ、好きだよ」

なんてフォローしてくれる。

(でも今、『好きだよ』って言ったよね。)

そういう意味じゃないのはわかってるけどでも、こんな休日に、2人きりでそんなフレーズ言われたら胸の奥が熱くなってしまう。

そしてここでもまた、柳瀬は百合香の支払いを拒否した代わりなのか、自然と手を取られる百合香はその大きな温かい手を自ら握り返していた。






「どこへ行くんですか?」
「本屋に。この先に大きな書店、あるの知ってる?」
「ああ!最近オープンしたところですよね、確か」


2人はそのままその本屋に向かい、入って行った。

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