強引な次期社長の熱烈プロポーズ
そんな椿の視線に気づいて智も目を合わせた。
口元に薄ら笑みを浮かべながら智は椿に問う。


「椿くん。自分の花言葉、知ってる?」


その意味ありげな笑顔になんだかそわそわしながらも椿はただ首を横に振った。
すると智がまた面白そうに続きを語る。


「椿という花の花言葉は、“完全な愛”――」

「完全な···」

「完璧主義っぽい考えの君にぴったりだ」


頬杖をついたまま体を椿に向けてくくくっと笑う智に椿はなんだか恥ずかしくなり赤くなる。


「そして···」
「まだなんかあるんですか」



「―――“気取らない美しさ”」


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