強引な次期社長の熱烈プロポーズ

智が真っ直ぐと椿を見つめて言う。


「“気取らないで”そのままの椿くんでいいんじゃないの」


椿はそんな智の言葉にはっとする。

自分は、いつでも背伸びをして、上を見て―――。
それは目標を高く持つことでもあって悪いことではない。

けれど、彼女は?
彼女は別に今の自分を受け入れてくれているんじゃないのか。
じゃなきゃとっくに愛想尽かして目の前からいなくなってる気がする。


あまりに高い理想と完璧を求め過ぎて、前に踏み出せずに縮こまっていた。


100点の答えを伝えなくてもいい。
今ある自分の想いを伝えるだけで、後は彼女が採点することなのだから。


「義兄さん・・・」
「ん?」
「キザっすよ」
「・・・・」


でも―――

「ありがとうございます」


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