強引な次期社長の熱烈プロポーズ
「多分すぐに連絡くるよ。この辺で待ってた方がいい」


そう言うと飲み干した缶を隣のゴミ箱に捨てると智は去って行った。

その後ろ姿を、缶を相変わらず両手で包んだまま見つめると、タイミング良く電話が鳴った。


「もしもし?」
『あ、オレッ!今どこ?』
「···すぐ近く」
『え?』


涼香は近くで聞こえるバッティングの音を聞きながら、すっきりとした表情で微笑んで椿にそう言った。


『すぐ行く!』


場所を告げると椿は涼香の言葉を最後まで聞かずにそう言って一方的に電話を切った。
そんな猪突猛進な椿の行動に涼香は一人笑って呟いた。


「···直球勝負、受けて立つわ」


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