強引な次期社長の熱烈プロポーズ
「江川···」


平日の閉店間際。
特に世間でイベントもない7月の終わり。

暇を見計らって同期の江川が1階から顔を覗きにやってきたようだ。


「おれに何でも聞いていいぞー」
「もうお前と同じ経験年数だよ。ここに異動してから」


俺は去年1階からここ2階万年筆売場に異動になった。
万年筆売場といってもそれだけではなくて、システム手帳や鞄、皮製品などいろいろとあるのだが。

加えて江川は入社してすぐ2階に1年。
その後は現在まで1階に配属されている。

俺達は入社して3年経っていた。


「柳瀬、この前出張同行していったんだろ?」




< 566 / 610 >

この作品をシェア

pagetop