強引な次期社長の熱烈プロポーズ


数日後のことだった。

俺は別になんらかわらない一日をその日も送っていて、淡々と仕事をこなすだけだった。

別に不満もないし、かと言ってすごく充実しているかと聞かれれば、どうだろうと小首を傾げるところだ。


その日も閉店間際にはお客さんはゼロで、社員はみんな倉庫やバックヤードで普段出来ない作業を進めていて俺だけが店頭に立っていた。


そんなときにエレベーターの音が響いた。


一人の女の子がきょろきょろとしながらエレベーターを降りてこちらに向かってくる。

俺はショーケースの手前まで来たときに『いらっしゃいませ』といつものように声を掛けた。


すると、その言葉に反応してその子は顔を上げ、はにかむようににこっと笑ってこっちを見た。


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