強引な次期社長の熱烈プロポーズ
「万年筆をお探しですか?それともボールペンでしょうか」
そう声を掛けるとその子は即答だった。
「万年筆を」
万年筆を探してるのか。
自分の?どうみてもまだ学生なのに?
やっぱりコアなファンだったりするのかな。見た目も古風と言えばそんな感じだし・・・
「失礼ですけど、ご自分のですか?」
「あ、いえ。私じゃなくて」
やっぱり違うのか。
そりゃそうか。万年筆持ってる若い子なんて本当に珍しいからな。
「本当は自分のも欲しいんですけど」
その子はまたはにかむようにちょっと頬をピンク色に染めて俯きながら、小さな声で、でも確かにそう言った。