強引な次期社長の熱烈プロポーズ
「本当に申し訳あり、」

「それは、注文すれば入ってきますか?」

「え?」

「急ぐものじゃないんです。待ちますから、そのままこれをお願いします」


頭を上げてその子の顔を見たら、想像していたような顔なんか全然していなくて、むしろ来店してから一番の笑顔じゃないかっていう顔を俺に向けていた。


「あ、でも…大丈夫ですか?」

「大丈夫です。それに、これがいいんです。あなたと選んでいてこれがいいと思えたんです」


俺はその言葉が妙に照れくさく感じて、ガラにもなく一瞬、間を作ってしまった。
すぐに気持ちを落ち着かせて次の作業に取り掛かろうと頭を動かす。




「では、只今承り書を―――」


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