強引な次期社長の熱烈プロポーズ
――――――信じられない。



まさか、こんなことが本当に起きることがあるなんて―――。



前で立っている彼女は、紛れもなくあの時のあの子。

見間違える訳はない。

あの時より少し髪は短くなっていたけれど、変わらない艶のある黒髪。
照れたように赤くなり、笑うあの顔。

今でも鮮明にあの日のあの顔を思い出せるのだから。



―――神野百合香―――


「神野です。文房具が大好きです。どうぞよろしくお願いします。」



消えそうでずっと消えることのなかった君への想い。

今、この瞬間から再燃した想いはもう止められないと自分でわかった。


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