強引な次期社長の熱烈プロポーズ

「少し違うところへ行ってみましょうか?」


百合香が智の上達の早さから、コースのレベルを上げる提案をした。
今までは本当になだらかな傾斜のコースで、山の高さもそこそこの所だったので景色は人やロッジ、駐車場と、格別いいものではなかった。

ワンランク上のコースともなれば急に高度も上がって傾斜も若干きつい個所が出てくる。

しかしその分見下ろす景色はいいのだ。


「百合香が大丈夫だと思うなら」
「もう··!そんなこと言ってますけど内心ひやひやですよ」
「?」
「もう少し、慣れてきたらせっかく智さんに勝てるモノが追いつかれそうです」


百合香がちょっと本音を漏らして口を尖らせると、智は驚いた顔を見せた後に声を出して笑った。


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