強引な次期社長の熱烈プロポーズ

「初めはきつい斜面続きますけど、後半はさっきと同じですから」


リフトを降りて2人は景色を見下ろす。
眼下には先程見えていた駐車場が小さく見えて、一面に広がる銀世界をより一層広大に感じられた。


「ああ、本当だ。景色が違う」
「寒いけど気持ち良くないですか?」
「寒いから見れる景色だな」


一瞬2人はただのデートのように景色に見とれる。

後から来る人たちがどんどん滑走していくのに気が付いて百合香が声を掛けた。


「一応私が先に。道筋付けて行きますから」
「先生、お願いします」
「や、やめてください···」


ごにょごにょと語尾を小さくして照れる百合香は、その照れを誤魔化す様に滑り始める。


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