強引な次期社長の熱烈プロポーズ
百合香は綺麗なシュプールを描いて鮮やかに雪面を滑って行く。
それは智も意外に思う程であった。
普段の百合香からはスポーツとはかけ離れた感じもするのでそう思うのは仕方がないことだった。
そんな百合香の姿に目を奪われているうちに距離がどんどん離れていることに気が付いてやっと智が後を追う。
一度中間地点で百合香は智を確認した。
百合香もまた、違う意味で驚いて智を見る。
やはり、運動センスというものなのか―――。
さすがに百合香までには至らないが、今日初めてスキーをした人とは思えないほどの上達ぶりだった。
(心配することなさそう)
百合香はそう判断して残りの半分を滑って行く。
そしてリフト乗り場に到着すると智が来るのを待っていた。