強引な次期社長の熱烈プロポーズ
ドシンッ!!!


その音は智が一人転んだ音。

百合香は丸い目をして智を見下ろして見ていた。


夢中で百合香を助けて、注意していた為に今自分が雪の上で、履きなれないスキーを装着していることをすっかり忘れていたのだ。

ついうっかりいつもの感覚で歩こうとして結局またバランスを崩して数時間前のように腰を地に降ろしていた。


「―――だ、大丈夫ですか」

「・・・・」


百合香が怒られている手前、恐る恐る智に手を差し伸べる。

智はその手をゆっくりと取り―――


「きゃぁっ?」


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