強引な次期社長の熱烈プロポーズ


帰りの椿の車中―――



「唯一智さんに優位にたてるものが··」


百合香は後部座席でがっかりとしたように言った。
結局は智の腕も上達して百合香はまた勝てるものがなくなったと口を尖らせていたのだ。

それを聞いて今日は隣に座っている智が椿に気付かれないようにそっと耳打ちをする。



「そんなこと?君はいつでも優位に立っているのに」



そんな風に低く甘い声を耳元で聞かされると百合香はまたドキっとしてしまう。

そんな気持ちを悟られないように百合香は椿に話しかけた。


「つっ、椿は今日何してたの??」



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