強引な次期社長の熱烈プロポーズ

＊


「い…痛い」


（頭がズキズキ。昨日飲み過ぎたんだ。）

でも確か今日は遅番だから２時間位はいつもより余裕がある…
そんなことを痛みと寝惚けた頭で考えると、ゆっくり目を開けた。


（うちに抱き枕なんてあったっけ？）


百合香は目の前に何かがあって、視界を遮られている。そして、その何かに自ら抱きついているようだった。


ぱちっ


完全に頭が冴えた。
そう。昨日は定休日。綾に呼び出されたかと思ったら、そこに柳瀬がいて。
居酒屋まで一緒だったのを最後に記憶が抜け落ちてる。


百合香ははっとして抱きついている手を緩め、顔を上げた。



「や、柳瀬さん！！！」



その張り上げた声に反応して柳瀬が目を開けた。

百合香は飛び起きて部屋を見渡す。