強引な次期社長の熱烈プロポーズ
(もしかして、柳瀬さんがほんの少しでも私を想ってくれているとしたら…
だとしたら、少しは妬いてくれての発言なのかな。)

こんなにクールな柳瀬が、自分のことで熱くなってくれたりするのか。
そんな風に考えてたら頬が緩んでしまう。


「もうちょっと警戒心持った方が……なに?」
「いえ、なんでもないです。すみません。」
「…じゃ、戻るか」


そうして柳瀬と百合香は売場へと戻った。






柳瀬と距離ができた途端、坂谷がまた話しかけてくる。今度は小声で。


「なんの話だったの?」
「あ、企画からの伝言でした」
「ふーん」


何を勘づかれるかわからない。
百合香は気を引き締めた。
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