強引な次期社長の熱烈プロポーズ
「でもさ、柳瀬って想い人いるっぽいからさ」
「……え?」
(そういう話、やっぱり同期の江川さんだからしたりするんだ。
想い人…ってことは、とりあえず彼女ではないってことだよね。)
百合香は一先ず柳瀬はフリーで、自分にも可能性はあると思いなおすと同時に胸を撫で下ろす。しかし次に、江川の言った言葉で一気に奈落の底に突き落とされる。
「なんかさー入社したとき位に出逢った人らしくて」
百合香は手にしていた箸を落としてしまう。
(柳瀬さんは入社して確か8年と言っていた。私は8年前って18だから、ありえない―――)
「あっこんな話おれがしてたなんて言わないでね」
「…大丈夫です」
「ま、そうはいっても謎が多い奴だからなー」
あとの会話は真っ白。百合香の耳には入ってこない。
(柳瀬さんには想いを寄せている人がいる。
それは、私と出逢う前から既に知り合ってる人…
何も知らないで、期待して。
今ならまだ、引き返せるのかな。この想い――)
「……え?」
(そういう話、やっぱり同期の江川さんだからしたりするんだ。
想い人…ってことは、とりあえず彼女ではないってことだよね。)
百合香は一先ず柳瀬はフリーで、自分にも可能性はあると思いなおすと同時に胸を撫で下ろす。しかし次に、江川の言った言葉で一気に奈落の底に突き落とされる。
「なんかさー入社したとき位に出逢った人らしくて」
百合香は手にしていた箸を落としてしまう。
(柳瀬さんは入社して確か8年と言っていた。私は8年前って18だから、ありえない―――)
「あっこんな話おれがしてたなんて言わないでね」
「…大丈夫です」
「ま、そうはいっても謎が多い奴だからなー」
あとの会話は真っ白。百合香の耳には入ってこない。
(柳瀬さんには想いを寄せている人がいる。
それは、私と出逢う前から既に知り合ってる人…
何も知らないで、期待して。
今ならまだ、引き返せるのかな。この想い――)