強引な次期社長の熱烈プロポーズ
きっと大きな溜め息でもついて、そして呆れ気味にチクリと何か一言いうんだろう…
そう考えてた百合香には意外な反応が返ってきた。


「頼ってくれたのが俺で、良かった」


あまりに想像と違う言葉を柳瀬から聞いた百合香は目を丸くして柳瀬を見た。

「犯人は猫。もう大丈夫?」
「…はい」

ふっと笑ってまた百合香の頭にポンポンと2回手を置くと柳瀬が靴を履こうとした。





「……なに?」


柳瀬が百合香を見てそう言った。

気づけば百合香の手が、柳瀬の腕を軽く掴んでいた。
< 86 / 610 >

この作品をシェア

pagetop