強引な次期社長の熱烈プロポーズ
目の前のショーケースには、柳瀬の胸ポケットに刺さっている万年筆と同じメーカーのものが並んでいる。
それを見ては、次に思い出すのが今朝のメモ。
(この万年筆で、あのメモを…
柳瀬さんの字は男の人にしては珍しく、とても綺麗な文字。
今朝のメモでそれもまた再確認したな―――)
「神野さん」
「えっ…はっはい!」
そんなことを考えていたら、開店5分はとっくに終わっていたみたいで、またか。と言わんばかりの声で柳瀬に呼ばれていた。
「ちょっと商談で事務所に行くけど大丈夫だよな?」
「あ…と、はい…大丈夫だと……」
百合香は坂谷と長谷川の状況を確認しながら返事をした。
2人は別々のお客様を接客しているようだった。
「……はぁ。じゃ。」
そう言って柳瀬はエレベーターへと向かって行った。
(今…絶対溜め息ついたよね。それって私に対してだよね。
昨日といい今日といい呆れてるのかな。
いっそ声を荒げて注意された方がよっぽど気が楽なのに…)
百合香がそんなことを思うのはしょっちゅうだったけど今日はまた特別そんな感情を抱いてしまった。
それを見ては、次に思い出すのが今朝のメモ。
(この万年筆で、あのメモを…
柳瀬さんの字は男の人にしては珍しく、とても綺麗な文字。
今朝のメモでそれもまた再確認したな―――)
「神野さん」
「えっ…はっはい!」
そんなことを考えていたら、開店5分はとっくに終わっていたみたいで、またか。と言わんばかりの声で柳瀬に呼ばれていた。
「ちょっと商談で事務所に行くけど大丈夫だよな?」
「あ…と、はい…大丈夫だと……」
百合香は坂谷と長谷川の状況を確認しながら返事をした。
2人は別々のお客様を接客しているようだった。
「……はぁ。じゃ。」
そう言って柳瀬はエレベーターへと向かって行った。
(今…絶対溜め息ついたよね。それって私に対してだよね。
昨日といい今日といい呆れてるのかな。
いっそ声を荒げて注意された方がよっぽど気が楽なのに…)
百合香がそんなことを思うのはしょっちゅうだったけど今日はまた特別そんな感情を抱いてしまった。