強引な次期社長の熱烈プロポーズ
そんな風に優しく笑って、こんな時間に駆けつけてくれて。
だけど彼の中にはきっと決めてる女性がいて…


「今日、午後からなんか変だったけど今はいつもの神野さんだな」
「えっ」


(私、今日何もなかったように振る舞ったつもりなのに。柳瀬さんには見透かされてた?)


「それじゃ、また明日。コーヒーご馳走様。」

柳瀬は一言御礼を言って帰って行った。

御礼を言うのは自分の方なのに。


自分ばかり柳瀬に心を見抜かれて、肝心の柳瀬の気持ちは全く読み取れない。

結局百合香はこの後も柳瀬を想って夜が更けていくのだった。

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