【完】グラウンドの君
「えー…いや…別に?」
「んだよ、言えよ。
あーもしかして俺のこと?」
「…えっ?」
明らかに冗談で言われた事にも
本気で反応しちゃうあたし。
「えっ て……え?」
「いや、んーと、あ、うん!
俊足で、かっこいいなって!」
「は?」
「ほら、さっきまでグラウンドだったのに
もう3階の教室いるんだもん。
す、すごいかっこいい!」
苦し紛れに吐いた言い訳、
【君の俊足がかっこいい】
我ながらナイスなんじゃ…?
「お前、俺に気づく前に
かっこいい つってたじゃん」
…ナイスじゃありませんでした。