短い人生にヒカリをくれたキミ



言葉が見当たらない。



……どうすれば………



佐々木はあたしにバレないように小さく鼻をすすった。バレバレだっつーの………



「俺ってば……何も知らないやつに話しすぎだなっ」


そうだよ、話しすぎ。



こーゆーの、慣れてないから何て言葉をかけてあげればいいのかさっぱりわかんない。




「今日はもう、帰りな?雨も降りそうだし」



佐々木がそう言った途端、雨が降り出した。




「…あーあ」



佐々木はあたしに笑いかけた。



トクンッ………




佐々木の笑顔……




初めて見た。





……って。



トクンッて何。



何、佐々木にときめいちゃってんの。




てかさ。


傘。
あたし、持って来なかったんだ。



あたしは黙り込んでしまった。



「何?傘ないの?」



「あっ、あるしっ」



「ぷぷっ。どこに?」




くっそぉ………。


笑われた。




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