短い人生にヒカリをくれたキミ

佐々木くんは世間で言う、イケメン?


男の人に対してあたしはそんなこと一度も思った事無いのに、不覚にも初めて佐々木くんを目にしたとき“かっこいい”なんて思っちゃったあたし。


佐々木くんはあたしの隣に座り始めてから、あたしと目を合わせてくれた事はない。
澄んだ瞳で外を眺めてばっかり。




そんなことを考えながら佐々木くんをジッと見つめていると


…………ッ




え!?
い、今目が合った?!


わぁ……。初めて目が合った……!


「何?俺の顔に何かついてんの?」

えぇぇ?!
は…初めて話しかけてくれた…!
浮かれるな、浮かれるな…
話しかけられたんだから、返事しないと…


「あっ……えと……な、何でもないです」


「…ふーん。あそ」


な……何なのよ、その態度っ!
愛想悪っ。
もっとこう……笑顔が可愛くて、優しいのを想像してたんだけどな………



フンッ。


あたしは思いっきりそっぽを向いた。



プシューーーッ


それと同時にいつも佐々木くん……
…佐々木くんなんて呼ぶのは止めよう。
あたしの中では呼び捨てしちゃえ。
佐々木がいつも降りるバス停に着いた。


佐々木は立ち上がってバスを降りた。






< 2 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop