短い人生にヒカリをくれたキミ
佐々木くんは世間で言う、イケメン?
男の人に対してあたしはそんなこと一度も思った事無いのに、不覚にも初めて佐々木くんを目にしたとき“かっこいい”なんて思っちゃったあたし。
佐々木くんはあたしの隣に座り始めてから、あたしと目を合わせてくれた事はない。
澄んだ瞳で外を眺めてばっかり。
そんなことを考えながら佐々木くんをジッと見つめていると
…………ッ
え!?
い、今目が合った?!
わぁ……。初めて目が合った……!
「何?俺の顔に何かついてんの?」
えぇぇ?!
は…初めて話しかけてくれた…!
浮かれるな、浮かれるな…
話しかけられたんだから、返事しないと…
「あっ……えと……な、何でもないです」
「…ふーん。あそ」
な……何なのよ、その態度っ!
愛想悪っ。
もっとこう……笑顔が可愛くて、優しいのを想像してたんだけどな………
フンッ。
あたしは思いっきりそっぽを向いた。
プシューーーッ
それと同時にいつも佐々木くん……
…佐々木くんなんて呼ぶのは止めよう。
あたしの中では呼び捨てしちゃえ。
佐々木がいつも降りるバス停に着いた。
佐々木は立ち上がってバスを降りた。