短い人生にヒカリをくれたキミ
ってあたしの願いも虚しく………
「……あー。はい。何名ですか?」
「2名♪」
いやいや、聞かなくても分かるっしょ。
「2名ですね。好きなところにお座りください」
「一番前!叶、前行こう?」
「わかった、わかった」
「イエーイ♪」
何でそんな楽しそうなのかなぁ……?
乗客2名のジェットコースター。
スタッフさんがスタッフらしいキメゼリフを言った。
「それではお気をつけて行ってらっしゃい」
ガタンガタンッガタンガタンッ
うわ、動き出したぁぁ!
「やだっ!やっぱ怖いっ!止めてぇ!」
「もー無理だ!早く急降下しねぇかな♪」
「もぉ、ほんとヤダ………」
すると隼人はあたしの手を握ってきた。
「こーしたら怖くないだろ?」
手繋いだって変わんない。
全然怖さは変わんないーっ。
優しいなぁ、隼人……。
って言っても元々、ジェットコースターに乗らせたのは隼人なんだけどな。
繋がれている手に集中しすぎたせいか、急降下は目の前まで迫っていた。