短い人生にヒカリをくれたキミ



ってあたしの願いも虚しく………


「……あー。はい。何名ですか?」

「2名♪」


いやいや、聞かなくても分かるっしょ。

「2名ですね。好きなところにお座りください」



「一番前!叶、前行こう?」


「わかった、わかった」


「イエーイ♪」



何でそんな楽しそうなのかなぁ……?



乗客2名のジェットコースター。

スタッフさんがスタッフらしいキメゼリフを言った。

「それではお気をつけて行ってらっしゃい」





ガタンガタンッガタンガタンッ

うわ、動き出したぁぁ!



「やだっ!やっぱ怖いっ!止めてぇ!」



「もー無理だ!早く急降下しねぇかな♪」


「もぉ、ほんとヤダ………」



すると隼人はあたしの手を握ってきた。


「こーしたら怖くないだろ?」


手繋いだって変わんない。

全然怖さは変わんないーっ。



優しいなぁ、隼人……。

って言っても元々、ジェットコースターに乗らせたのは隼人なんだけどな。



繋がれている手に集中しすぎたせいか、急降下は目の前まで迫っていた。


< 39 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop