短い人生にヒカリをくれたキミ
「隼人ーっ!起きろ!」
優輝くんは眠ってる隼人の肩を思いっ切り揺らした。
そんなに揺らして大丈夫なの!?
一応病人だよ?
「んー………揺らすな揺らすな。起きてるから」
「よ、良かったぁ………」
ダメだ…………
隼人が生きてるってだけで、涙が出てくる……
「お前……泣くなって………」
隼人があたしの頭をフワッと撫でた。
「だってぇ…………お父さんが……危ないって言うから………隼人が危ないって………」
ほんとに死んじゃうかと思ったよ……
あたしがそう言うと隼人の顔が険しくなった。
「俺が危ないって?お前のお父さんが?」
「うん………観覧車で眠ってるときに夢にお父さんが出てきてね………隼人くんが危ないよって……早く起きないとお前の大切な人が危ないって……」
そう言ったよね?お父さん。
隼人はあたしの大切な人…………
昨日話したばかりの大切な………
さっきまで険しかった隼人の顔が綻んだ。
「俺……叶の大切な人なんだ……」