短い人生にヒカリをくれたキミ


え?



「………どうし」

「いいから叶ちゃんは黙ってて」



優輝くんは隼人に聞こえないようにあたしに耳打ちした。


何で………?
隼人、絶対喜ぶのに……



「何だよ~期待させんなよ~」



優輝くんは助かるのに。
何で隼人に言わないの?
必死に嘘ついてるから言うのは可哀想?
そんなことないのに!

「叶!そういえばいつまでここにいるつもりなのよ?早く帰りなさい!もうすぐお母さんも帰るから」




お母さんは病室を覗きながら言った。


「わ、わかってるよ」



そう言うとお母さんは安心したかのようにそのままどこかへ行った。


「隼人は帰らないの?」


「隼人は一旦1日だけ入院!心配しないで帰りな?」


「わかった。じゃあね、2人とも!隼人も優輝くんもお大事に!」



あたしはスクールカバンを手に病室を出た。



するとこんな会話が聞こえてきた………


「なぁ…………俺、もうダメかな」

隼人の声…………




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