短い人生にヒカリをくれたキミ



「ほらっ、自己紹介して」


あたしは佐々木にひじで腰あたりを突っつかれた。


「あっ…えと、あたしは村上叶です。は…隼人の事はあたしに任せてくださいっ」


あ…あたしってば何いってんだか…
頭が話を合わせろ とうるさい。
口が勝手に…
嘘が上手になったね、あたし。
ほんとはこんなことしたくない。
でも優輝くんの嬉しそうな顔を見てると話を合わせざるを得ない。



佐々木をチラッと見てみると俯いてるだけ。

あたしたちは少しの間、雑談をした。
優輝くんは生まれて間もなく、入退院を繰り返してるらしい。





ーーーー………


「じゃあ、叶もそろそろ帰らなきゃだから帰るわ。また明日も来るかんな」



………叶とかゆーなっ、………叶とか。
何照れてんのよ、あたし!



「おうっ。また明日な。じゃあね、叶ちゃん」



優輝くんがそう言うと佐々木はあたしの指に指を絡めてきた。


「ちょっ、何して……」



「もう少しの辛抱だから」



佐々木は優輝くんに聞こえない声であたしに言った。




辛抱って………




そんなこと言われても………


男の子と手を繋ぐのは初めてなんだもんっ。



辛抱してられっか!



って思いながらもあたしはそのまま佐々木に手を引かれ優輝くんの病室を出た。






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