短い人生にヒカリをくれたキミ



「叶、あの日からずっと作り笑顔だったもんね?バレバレだよー」




バレてたんだ。
あたしって演技下手なんだ。




「辛いのはわかるけどね、そんな顔して隼人くんが喜ぶと思う?」


喜ば…………


「喜ばないよね?!」



美玲はあたしが答える隙もなく、言った。
そりゃ、喜ばないよ?
けどさ………
隼人がいなくなっちゃった今、あたしはどーすればいいの?
音信不通の彼氏。
辛いじゃん。辛すぎる。



「そのネックレス!隼人くんに愛されてる一番の証拠じゃん!」



愛されてる証拠……?



「けどさ、逆に考えるとこれしか証拠がないんだよ?」



「逆に考えんなーっ!」



美玲は足をばたつかせて手で机をバシバシ叩いてる。



「逆に考えちゃダメ。愛されてる証拠さえあれば十分じゃない。ネックレスがあるだけ、幸せだと思わなくちゃ」



「そ、そーだね!あはは………」



「笑って誤魔化すなぁーっ!」



「ご、ごめんなさいーっ!」



美玲だけだよ?
あたしのこと、そんなに心配してくれるの。
いっつも美玲に迷惑かけて………
美玲がいるから今のあたしがいるようなもんだもん。



「ありがとね、美玲」




「んっ?何が?」




「ううん、なんでもない」




本当にありがとう、美玲。





< 87 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop