SAKURA SAKU




『フラフラしたとか、立ち眩みとか、頭痛はあった?』









『うん、何度か。』










『動悸とか、息苦しさとか、心臓の痛みは?』










『それは、毎日あるよ。相変わらず、ね。』









アタシがそう言うと、安野先生は紙に何かを書き込んだ。








『神川さん、どちらの病気も、ゆっくりだけど、進行してる。薬で、進行を遅らせてるから、こんなにもゆっくりだけど、一回悪くなれば、もう戻らない。だから……』






『わかってる。無理はしないし、体に負担になることはしない。』






毎回、聞いてるよ。









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