SAKURA SAKU




『なんで、皆森が持ってんの?』




神川は桜を見ながら、そう言った。







『…美幸に貸したんだけど。』







神川はそう加えて、俺を見上げた。








深川の下の名前って、美幸だっけ?





『深川の代わりに返しに来たんだよ。ありがと、だってさ。』








神川の刺々しい口調に俺も少し言い方がキツくなった。










『…そ、わかった。わざわざ、ありがと。』






神川は棒読みでそう言った。








< 35 / 110 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop