SAKURA SAKU
『なぁ、桜の木の下にいた子、明日もいると思うか?』
双史は的外れな答えが返ってきて、困惑した顔をした。
『桜の木の下って……誰もいなかっただろ…お前、ついに………』
『イカれてねーよ。本当にいたんだよ。ここの制服、着てたし、校内で会えるか……』
すると、双史がニヤッと笑った。
『あのさ、翔唯はその子に恋したんだろ?だから、そんな、その子に会いたいんだよ。』
そうやってすぐ色恋でからかうのは双史の癖だ。
でも、それが俺には冗談には聞こえなかった。