キミの隣り
卒業式はどんどん進んでいって
気付けば卒業生代表挨拶になっていた
「卒業代表挨拶」
そう言えば卒業生代表挨拶は誰だったけ?
「卒業生代表挨拶。代表、南条 悠」
ドクン
心臓がおかしくなりそうだった
まさかの代表挨拶が
「悠… なの?」
「知らなかったの?」
「え? うん…」
知らなかった
まさか
悠が代表挨拶なんて
隣りの列の悠が立ち上がって
赤い絨毯の上を歩いていく
キミの後ろ姿が
どんどんと離れて
壇上の上に立ち
私達を見下ろした
気付けばキミを目で追いかけていた
でも、キミは今みたいに
いつも遠い場所にいた
こんなにも大好きなのに
どうすればこの距離は無くなるのだろ?
こんなにもこんなにも
キミが好きなのに
どうして私達はいつも
側にいられないんだろう?
胸元にささるっているマーガレット
真実の愛が胸元にあるままではなく
キミの胸元に届けたい
だって私は
誰よりも
「キミが好き」