キミとワタシ。




ジリジリと照りつける太陽の光がワタシの肌を黒く焼き付ける夏。

まあ、焼ける体質でもなく、部活しているわけでもないワタシはみんなに比べたら白い。


今、楓ちゃんの部活待ち。

普段はあまり居ない教室の中、

人がたくさんいて、楽しそうなみんなの声を聞いていると胸が苦しくなる。

具合が悪いわけじゃないのに、吐きたくなる。



楓ちゃんの部活が終わったら帰るのか…

いまだに家に帰るのが嫌だ。だれもいない、静かで、寒い、独りぼっちのお家。


…………去年の夏。



ワタシの家族は居なくなった、


事故。たったその二文字の出来事でワタシは家族を奪われた。失った。


いつからかワタシは言葉も無くしてしまった。


甘えてはいけない、泣いちゃ駄目、弱音なんて吐かない。

何時までもウジウジしてたって仕方ないんだから。





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