キミとワタシ。
ワタシは逃げていた、認めたくなくて。
泣いてしまったら、甘えてしまったら、
弱音を吐いたら、自分が独りだということを認めてしまう。
だから、言葉も無くしてしまったんじゃなく、自分から捨ててしまったのかもしれない。
ワタシはもがいていた、沈まないように、悲しみに溺れないように。
…なんだ、力を抜けば、浮くんだ。
なにもしなくても、浮くんだ。
「もがいて頑張るのもいいけど、力をぬいて頑張るのも一つだよ。」
ユウタはそう言ってくれた。
「な、んでキミは、ワタシに、おしえてくれたの?」
久しぶりに発する言葉はあどけなく、聞きづらいと思うのにユウタはちゃんとワタシの言葉に耳をかたむけてくれた。
「あんたが、好きだから。仲山千鶴が好きだから。」
「へ?」
「いつも楽しそうな笑顔で友達と話してるあんたを見てひかれた。」