彼女は幽霊〜八月〜


エレベーターを
待つ時間が

長くて…


僕は階段で上った


4階まで走った


家の前に
黒い影………



…ッ!…



……愛奈だ……



「あっ!!おそ〜い」


「なんで…」


「ね〜早くあけて」


「…なんで…」


「は〜や…


「なんで愛奈が…
だって…愛奈は…愛奈は」


「………死んだ?」


「……そっ…そうだよ」


「…会いにきたんだよ?」


愛奈が…

愛奈が…


帰ってきた…


素直に嬉しかった…

抱き締めようと
手を伸ばしても……



手は愛奈の身体を


すり抜ける……


愛奈が

悲しそうな顔で見てる


もう触れる事は出来ない


愛奈は…


君は…


やっぱり

死んだんだ…


あれから2年も


たっている…


君は幽霊…



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