「浮気するなら、バレないように。」

ep.1 幸せの定義

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高校の時同じ学年だった彼は、誰もが羨む容姿をしていた。


高い身長に、細身なのにがっしりとした肩幅。
漆黒の髪の毛は、クセがなく艶やか。


後姿を見ただけで彼だと分かるほどその立姿は堂々としていて－－－


この世にここまで整った顔の人間がいるのか、と疑ってしまうほどの美貌だった。


顔は小さく、眉は凛々しい。
高い鼻には毛穴があるのか分からないほどきめ細やかな肌をしていて、瞳はつり目ぎみの二重。
唇は薄く、そのわきには彼の魅力を引き立てるに他ならない唯一のホクロ。


彼は、誰よりも美しく、誰よりもセクシーで、

そしてだれよりも気高かった。



その名に相応しい、学園の皇子（おうじ）。


私はそんな彼、一条皇弥に、ずっとずっと憧れていた。