潔白の世界
僕は地元の高校に通うごく普通の高校2年の17才。
母子家庭に育ち、母親と二人暮らしで
母はパートを2つ掛け持ち朝から晩まで働いている。
幼い頃から貧乏で欲しいものなんて手に入らなかった。
ずっと我慢して育った僕は、今じゃあものを欲しいと思うことなんてなくなった。
今日も朝ごはんは白米に海苔をのせ、醤油を垂らした海苔丼。
昔から朝ごはんは大体これ。
少なくとも高校に入ってから毎日海苔丼だ。
別に不満なんて感じない。
満足をしたこともないが。
ただひとつ思うことがある。
こんな何もない毎日を過ごして意味があるのだろうか。
母に必死こいて働かせて育ててもらう程の価値の人間なのだろうか。
僕に生きる意味はあるのだろうか。
こんなルールばかりの世界に生まれ、
幸も不幸も、喜びも悲しみも感じず、
無の毎日過ごしてる僕に生きる意味はあるのだろうか。