天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅨ
「申し訳ありませんでした、生徒会長」

深々と頭を垂れ、頭を上げた拍子に。

「へぶらっ!」

後ろを歩いていたスペシャルバカの顔面に後頭部が直撃する。

鼻血を出して唸っているスペシャルバカだが、弥々ガン無視。

「以後気をつけるように」

ネコミミメイドと共に歩いていく生徒会長の背中を見送っていると。

「相変わらず騒々しいのね、弥々ちゃん」

ロシア娘が苦笑いしながら声をかけた。

「大統領閣下はお元気かしら?」

「はい、マスタァは先日のエージェント・アリスカの武器密輸阻止を大変お喜びになっておられました」

瞳を細めて、大統領からの伝言を伝える弥々。

「それで…エージェント・アリスカ…ママとねぇさまは、そのっ…」

モジモジソワソワしながら、弥々がロシア娘を上目遣いに見る。

ママとは弥々の開発者である天才チビッ子、2年の鼓姫。

ねぇさまとは愛され体質の人造美女、3年の神凪 芽々。

そうつまり、弥々は昨年文化祭にて開発権を二十億で落札されたロシア大統領閣下の人造美女なのだ。

「ああ、天才チビッ子ちゃんならお姉さんと一緒に教室の方に…」

言いかけたロシア娘を突き飛ばし、駆け出そうとしてコケて階段から転げ落ちつつも。

「ねぇさまぁあぁあっ!」

ほどけかけた頭のリボンを手早く修正しつつ、弥々は廊下を走って生徒会長にまたジェノサイドされた。

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