天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅨ
何しろ春の陽気である。

生徒も教師も緩みっぱなしの弛みっぱなしだ。

職員室。

「くぁあぁぁぁ…」

李 龍娘(り ろんにゃん)がデスクに突っ伏して大欠伸し、その横では夕城 翡翠(ゆうしろ ひすい)がスマホの待ち受けに設定している嫁の画像を見て鼻の穴を膨らませている。

一剣客としての矜持か、表情は鉄面皮を保っているが、中途半端に頬を緩ませているのがかえって不気味だ。

「二人とも気を抜きすぎじゃないですか?教師ともあろうものが」

女子生徒が武闘派教師陣の二人に駄目出しの図、かと思ったら、見た目がやたらと17歳チックなだけで、彼女もまた教員の一人であった。

レヴィ。

この度、天神の専属カウンセラーとして配属になった女性である。

学園内に親類がいるとの噂も流れており、そのツテで天神学園に来たとか勝手な憶測が飛び交っているが、本人が頑として口を割らないので真相は不明だ。

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