椿姫-ﾂﾊﾞｷﾋﾒ-

「雨宮椿です。」


「うーん、聞いたこと無い名前です。でも、濃姫様とはどういったご関係何ですか？」


「そこの通りで…」



私はさっきまでの出来事を
洗いざらい話した。


勿論、私が現代っ子
なんて事は言わない。


どうせ、言ったって
信じてはくれないだろうし。



「いやあ、大変でしたねぇ。確かに貴女は濃姫様にそっくりですものね。」



ウンウン
と、私の顔を見ながら頷いた。



「………では、此れからもお願いします。」


「……はへ？」


「あぁ、自己紹介ですね。」


「嫌……えっと…その…」

「私、葵子【ｷｺ】と申します。濃姫様の世話役をさせと頂いている者です。………よろしくお願いしますね！」



ｽｩ…
小さな手が差し出される。