椿姫-ツバキヒメ-
「濃姫様ぁ、これが似合いますよぉ!」
「…無理。」
私は明日の政略結婚と
やらの衣装決めをしていた。
葵子が見せてきたものは
ピンク色で、桜の花が散った着物。
「濃姫様ぁ、さっきからそればっかりです。もう、濃姫様が決めてくださいっ!」
葵子がぷんぷんしてきたので
言われた通り沢山の着物を
一つずつ目を通していった。
「あっ、此れ。」
私は目についた着物を手に取る。
「椿……」
「本当ですねぇ。ピンクでは無いですけど可愛いじゃないですか。じゃあ、それできまりっ!」
「えっ…。」
葵子に着物を奪われる。
「着付けしますよう~!」
葵子の目が変わった。