特上男子
「じゃあ何にキュンキュンしたの?」

「公園で一人自棄ジュースしとった時に会った人」

「自棄ジュースってあんた……まぁいいわ。で、どんな人だったの?」

「とにかく見た目は完璧やったなぁ……性格は知らん」



思い出すだけで幸せ。


また会いたいな……。


これで会えたらマジ運命感じる。


でも東京って広いしきっと無理だよね……。


ん?


でもチャリに乗っとったって事は、あの辺に住んどる人なのかも。



「痛ッッ」

「一人の世界に入ってんじゃないわよ」

「あはは……」



俯いてチョップされた頭をさすっていると、凛子が手に持っとる雑誌が目に入った。


私は思わずその雑誌を奪い取った。



「な、何!?」

「……この人」

「えっ?」

「昨日公園で会ったのこの人ッッ!!」



興奮して雑誌の表紙に写る彼を穴が開くんやないかと思うくらい指差すと、凛子のけたたましい叫び声が教室中に響き渡った。



「嘘でしょ!?」

「嘘やないって!!こんな格好いい人そう何人もおるわけないし!!」

「そりゃそうだけど……」







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