特上男子
まだ信じられないという顔をする凛子。


私だって信じられない。


まさか昨日の彼をこんなところで見付けるなんて。



「この人有名人なん?」

「智輝って言って、超有名モデル!!男女関係なく人気あるのよ!?」



智輝って名前なんや。


でもそんな有名人なら私なんか相手にされんよね。


というか会えるかも分からんし。


もっと話を聞こうと口を開いた瞬間、午後の授業の合図であるチャイムが鳴った。


凛子は「後でね」と言うと席に戻ってしまった。


タイミング悪……。



『そんなに項垂れてどうしたの?』

「彼氏と別れたよ。やけんライトはもう何も気にせんでいいけんね」



ライトは慰める様に頭をよしよししてくれる。


私がふられて悲しんでる様に見えるんやろうか。


その誤解が悲しっちゃけど。



「あんな男はどうでもいいんよ。私好きな人できたけん応援してね」

『そうなの?勿論応援するし、僕で良かったらいつでも話し聞くよ』

「ありがとう」






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