特上男子
ガヤガヤ煩いファミレスの中におっても、私の気持ちは静かに沈んでいく。



『志保っ!!んな暗い顔してっと飯が不味くなんぞ』

「もういらん」

『柄にもなくダイエットかよ。んじゃもぉらい』



私の食べかけのピラフを美味しそうに頬張っている柏木 遥。


名前は可愛いがれっきとした男で、しかも目付きが悪いからかよく絡まれる。


この前も上級生に絡まれて喧嘩した末3日間というなんとも短い謹慎処分を受けた。


今日は謹慎空けだからか無駄に元気だ。



『何かあったの?いつも元気だから心配だよ』

「ライト……どうしよう…………」

『泣かないで』



ライトの声があまりにも優しくて、私の涙腺は急に緩み泣いてしまった。


隣にいる凛子は慰める様に背中をポンポンと叩いてくれる。



「あんなに綺麗な氷の女王様に勝てるわけないやんかぁぁぁぁぁ」



私の言葉に凛子意外意味が分からないという顔をしている。


頭を打ったんじゃないかと心配しているのか、ライトに頭を触られてしまった。


ライトの優しさはよく分かってる。


でも違うんだよ。



「私は正気やもんッッ」







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