特上男子
今日も無事に授業が終わり、後は帰るだけだ。


帰り支度をしているとライトに話しかけられた。



『志保はどういう風になりたいの?』

「どういう風に?んー綺麗になりたいとは思うけど、具体的なイメージはないかも」

『身近に見付けるでもいいし、モデルでもいいし、目標があった方がいいと思うよ?』

「目標かぁー」



そう言われて一番に頭に浮かんだのは氷の女王様だった。


でも系統が違い過ぎるよね。



「目標にしたい人と自分の顔とかが違いすぎてもいいと?」

『まずはその人のファッションやメイクを真似てみて、そこから自分に合うようにアレンジしていけばいいんだよ』



ふむふむ。


なるほど。



「ライトなんか詳しいね」

『父親の仕事がアパレル関係だからかな』

「そうなんや。また色々教えてくれる?」

『勿論だよ』

「ありがとぉぉぉ」



私はライトにお礼を言って、凛子と遥に手をふって教室を後にした。


持つべきものは友達やね。


最初東京に引っ越すって言われた時はお父さんをどついてやりたい程ムカついたけど、今ではメッチャ感謝してる。


そんな事を考えながら、ルンルン気分で駅へと向かった。






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