特上男子
あんなにルンルンした気分やったのに、今では気分がズドォォォンと沈んでいる。


なんだこの満員電車はッッ!!


いつもより混んどるー。


それに換気が悪いのか空気が籠っとってくっさいよぉぉぉ。


ッッ!?


いや……気のせいだよね?


混んどるし……。


そう思おうとしたけどそれはやっぱり気のせいやなくて、スカートの上からお尻をしっかりと触られていた。


なんで!?


電車に乗っとって痴漢なんて今まで遭ったことないのにッッ。


どうしよう……こういう時文句が言えるタイプやと思っとった。


でも……中々言葉が出てこない。


こういう時って少女漫画とかドラマでは想いを寄せてる彼もしくは超絶イケメンが助けてくれるよね!?


現実ではどうなん!?


周りを見ても誰も私の今の状況に気付いてくれてるような人はいない。


自分でどうにかするしかないって事!?


現実って厳しい……。


お尻から触られている感触がなくなりホッと安心した時、スカートの中に手を入れられとるような感じがした。


それでも情けない事に何も言えなくて目をギュッと瞑った時、おじさんの苦しそうな呻き声がした。






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