特上男子
「砕けちゃダメでしょ。どうせなら王子をものにするまで諦めないにしなさいよ」

「そこまで身の程知らずやないんです、私」



呆れた顔の凛子にお腹を抱えて笑ってる遥。


どっちも失礼やっ!!



『なんでまた頑張ろうと思ったの?』

「遥に根性叩き直されたけんかなぁ?」

『叩き直された?』



あの日遥と一緒やなくて一人で二人を目撃しとったら、ひたすら落ち込んで泣いて、諦めとったと思う。


今回ばっかりは遥にマジ感謝っ。



「しっかりしろって言って頬っぺた摘ままれたんよぉー!!メッチャ痛かったぁー!!酷い奴やろ!?」

『おいチビふざけんなっ!!酷いのはお前だろうがよっ!!』

「何でよっ」

『きったねぇ鼻水人の制服にベタベタ付けやがって!!』



遥におどけて見せると、怒った様な顔をして遥は立ち上がり私を掴まえようとした。


勿論掴まりたくない為、全速力で屋上を駆け回った。






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