年上の彼氏。
†あなたのこと†
1
「う…」
どこ…ここ…
ぼーっとする意識の中、最初に目に飛び込んで来たのは真っ白な天井。
保健室か…
そうだ、あたし生徒会室に行って仕事をしようとして、そしたら蒼大から…………
ガバッ!
「…うっ!」
いきなり飛び起きたせいで、めまいがした。
その時、カーテンが開いた。
シャッ!!
「起きましたか、天宮寺さん…って!いきなり起き上がったらだめですよ!」
入ってきたのは、養護教諭の河村先生。
「河村先生…」
河村先生は、あたしに駆け寄ってきて、横にさせた。
あたしは、促されるままに横になった。
そして、先生に聞いた。
「あの…私はどうなったのでしょうか?」
意識を失ってからの記憶は全くない。
意識を失う前も朦朧としていたため、あまり定かではない。
「天宮寺さんは過呼吸を起こしてそのまま気を失ってしまったのよ。慌てて先生が運んできた時はどうしたのかと思ったわ」
微笑みながら言う河村先生はあたしに紅茶を淹れてくれた。
あたしはそれを受け取り口に含んだ。
「そうですか…ご迷惑をかけてしまってすみませんでした。ありがとうございます」
あたしはティーカップを持ったまま、河村先生に深く頭を下げた。
「気にしないで。それに、お礼を言うなら宮下先生に言ってね」
柔らかい物腰にあたしも安心させられた。
だけど、先生の口から出た宮下先生という言葉に疑問を持った。
「宮下先生というのは…?」
あたしの質問に河村先生は
「あぁ!もしかして、まだ会ってないのね?」
と言ったが、あたしにはその意味が分からなかった。
「会ってない、というのは?」
「宮下先生は天宮寺さんのクラスの新しい外国語教師よ」
あたしのクラスの…
新しい外国語教師…