年上の彼氏。
ギュッ…


あたしの体を何かが包み込んだ。

それは、一瞬にしてあたしの恐怖心を忘れさせた。



それは、紛れもなく…


宮下先生だった。


「…っえ…!」


あたしは突然のことにわけがわからなかった。

だけど、それと同時に今までの恐怖心が涙に変わって流れていった…


「…っふ……ぅうっ…っ!」


「大丈夫、天宮寺さんを怖がらせるものはなにもないよ…」


耳元で宮下先生が安心感のある声であたしに囁く。

それが、あたしの中の溜め込んでいたものを引き出してくれた。

今までずっと、相談をせず1人で抱え込んでいた。

誰かにわかって欲しかったのに、誰もいなくて…



あたしはそれから10分ぐらい宮下先生の腕の中で泣き続けた。


今までの想いを解放するかのように…




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