年上の彼氏。
3
あたしが泣き止むと、宮下先生はしゃがんだまま口を開いた。
「他の先生から聞いたんですけど、天宮寺さんは今ほぼ独り暮らしの状態なんですよね?」
「はい…」
いつのまにか、先生に聞いてくれていたんだ…
今日は来たばかりで大変な時なのに。
知り合ったばかりのあたしにこんなに尽くしてくれる…
「そうですか…。送り迎えは来てくれるんですか?」
真剣な表情で質問を繰り返す宮下先生。
あたしもしっかりと答える。
「登校時は運転手さんが来てくれるんですけど、帰りは部活動や生徒会の仕事があるのでバスと徒歩です」
その答えに先生は深刻な顔をして黙ってしまった。
どうしよう…あたし何かまずいことでも言っちゃったかな…
心が不安でいっぱいになった。
しばらく考え込んだような様子だった宮下先生がやっと口を開いた。
「とりあえず、俺が帰り車で送ってくのはどうですか?」
「え!!」
あたしは先生の思いがけない発言に思わず声を出して驚いてしまった。
「もし、帰り道でなにかあったりしたら危険ですし…」
先生は深刻な顔を変えなかった。
「そんな、悪いです!!こんなことでわざわざ先生にご迷惑をかけるなんて…」
正直言って、先生にそこまでしてもらうのは嬉しいし、嫌じゃない。
だけど、宮下先生の迷惑になるようなことはしたくない。
すると、先生は
「俺が心配なんです。」
と、眉を下げて笑顔を見せた。